世間の3/3はひな祭りの日ですが、僕はほやほや学会主催のイベント< ホヤがà laフレンチ!@ビストロ・ダルブル>にて料理と日本酒のペアリングを担当しました。
ホヤに興味がなかったビストロ・タルブルのシェフ 無藤さんががホヤに目覚めて一年。
フレンチをベースにした実験的なさまざまなメニューを創作、日々改良を重ね、その集大成の絶品フレンチ。試食させていただいた時に感じたことは、他で見たことのない独創的で固定概念を覆すホヤ料理の数々。
そんな素晴らしい料理に合わせるためにどんなお酒を合わせたら正解なのか、事前に試飲を重ね、今まで培ってきた経験をフルに活用してのホヤフレンチとお酒をペアリングさせていただきました。
その集大成が今回のメニューです。
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<ホヤフレンチとワイン・日本酒の組み合わせ>
1:Lecture(再生)
《ホヤのビスク》 × CHAMPAGNE Louis nicaise
ホヤの殻とホヤ水のみで身は一切使わない独創的なビスク。
ホヤの味わいを残しつつ、再利用ではなく、新しい味わいに生まれ変わる様子
2:Nostalgie(郷愁)
《ホヤとキノコのマリネ、海水のジュレ、とろネギソース》 × 秋保ワイナリー マスカットベリーA ロゼ
海水のジュレやねぎソースでホヤの癖を感じない一品。単体だとあっさりと味わえますが、ワインを合わせるとほのかにホヤの味わいをふと思い出す気分
3:Germer(芽吹く)
《ホヤとタラの芽のキッシュ、白ワインソース》 × 秋保ワイナリー シードル
キッシュの中のタラの芽とホヤが、シードルと合わせることで、さわやかな渋みを開かせる。
雪解けから新芽が小さいが力強く芽吹くような様。
4:Une nouvelle génération(新世代)
《ホヤのムース》 × 水鳥記 特別純米酒 雄町 五割五分
ホヤをムース状にすることで、今までにない新しいホヤの味わい。
ムースのスムーズさを日本酒で合わせることで鮮やかにホヤを蘇らせる
5:J'aime figue de mer
《カルピスのグラニテ ホヤピス添え》
ホヤをカルピスに漬けて、グラニテにしたカルピスを載せた箸休めにするにはもったいないデザート
6:Une nouvelle sensation(新感覚)
《ホヤと鶏のパイ包み焼き》 × 黄金澤 山廃純米酒
鶏肉をムース状にしたものにホヤを入れ、パイにして焼き上げる。触感も香りも今までにない味わい。そこにキレイな山廃の酸味が立体的に味を表現
7:Douce tentation(甘い誘惑)《アマホヤ(アイスクリームのホヤ包み) ココナッツミルクスープ》 × 阿部勘酒造店 粕取り焼酎 勝畫楼(しょうがろう)
ホヤを一個丸々砂糖漬けし、その中にアイスを入れ、さらに相性のいいココナッツミルクをソースに。
フレンチの場合、マールやブランデーが食後酒ですが、ここは日本の食後酒として柱焼酎で。
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今回は料理ごとにテーマを決め、ホヤフレンチを最大限に表現するためのお酒のペアリングを心がけました。
たくさんのお客様といろいろお話させていただき、しっかり楽しんでいただけたのかなと、自負しております。
今回イベントを企画されたほやほや学会の 田山さん、わざわざ石巻から来場されたホヤ生産者の 渥美さん、そしてそのホヤを素晴らしい料理にしてくれた 無藤シェフ、 ビストロダルブル 恵比寿店の中西さん、 三笠さんさん、今回はありがとうございました。
そしてご参加いただいたお客様、ありがとうございます^^
終ってみて改めて感じたことは、こういったシェフイベントは仙台でどんどんやっていかないといけないなと感じました。
食材にこだわるのは重要ですが、それと同じぐらいシェフの腕は重要です。食材を生かすも殺すもシェフ次第。その活かすシェフの技術や味を生産者や流通業者が直に肌で感じ、それを現場で活かすような、循環する仕組みがあればもっといい食材が作られ、流通していくのではないでしょうか。
また僕が×(かける)にこだわる理由がそこにあるとおもってます。
食材×料理人となったのときに、美味しさは感動的で、そこにさらに創意工夫をしてお酒をペアリングするという作業は、プレッシャーはありますが、お客様の反応が全て表してくれます。それをぜひとも生産者や流通業者の方に体験してもらえるように、今後は形を作っていきたいと思います。
そして、まだまだ開拓の余地のあるホヤですが、こうやって新しい取り組みをする事で、次のステージはもうそこにあると思います。
今年はほやの新しい世界の幕開けです!!
などと、のたまいましたが、終わった後のビールがうまければそれが一番ですけどねw